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2017/11/22

それにもかかわらず

| by 野幌高校校長

学生時代最も感動した講義は奥山次良(じろう)教授の社会思想史です。最初の講義以降ずっと社会の矛盾や問題点を鋭く指摘し、聴いていると絶望的な気持ちになるぐらいでしたが、有無を言わせず惹きつける力がありました。悲観的な話が続きましたが、終わりに近い回で、突然、閉塞的な状況を突破するものは何かと問いました。そして、マックス・ウェーバーの「職業としての政治」の一節を読み上げたのです。「・・・断じて挫けない人間。どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への『天職(ベルーフ)』を持つ」。それは政治家に限った話ではない、と。
 他にも全てを投げ捨てて絵画に情熱を傾けた画家のゴーギャンを題材にしたサマセット・モームの「月と六ペンス」も読み上げました。
 奥山先生は癌のため54歳でお亡くなりになりました。
 私たちは夢を抱いたり挑戦したりしようと思うのですが、条件に恵まれ、何の障害も困難もなく目標を達成することは稀ではないでしょうか。いくつもの壁があり、暗雲が立ち込めているように思えても、「それにもかかわらず!」と進むしかない。奥山先生の講義のことを思い出すたび、そう考えます。


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